遥海

HAPPY LOVE DAY【振替公演】

待望の1st アルバム「My Heartbeat」リリース!その制作や想いについて

2020年、コロナ禍で多くの人がそうであったように、遥海にとっても厳しい一年となったという。「Pride」でメジャーデビューを果たしたものの、思うような活動がで きず悔しさで涙した。しかしそんな彼女を救ったのは自身の歌だった。そして改めて自身を見つめ直すことができた。そんな彼女の全てを曝け出した1stアルバム『My Heartbeat』を1/26にリリースした。優しいペインティングを施した美しいアートワークからブックレット制作まで細部にこだわった1stアルバム。楽曲制作や楽曲についての想いなど、丁寧にひとつ一つ想い出を解きほぐすように語っていただきました。

 

——デビューして約1年半、待望のファーストアルバムが1/26にリリースされましたが、アルバム全体を通して、遥海さんが込めたメッセージはどういうものでしょう?

感情を持っていいってこと、感じていいってこと。感情を何個も持っていいってこと、感じていいってこと。一瞬で変わってしまうもの。
このアルバム「My Heartbeat」を作っていく中で、私は感情を隠して生きてきたんだなって気づきました。ちゃんと向き合ってはいた、ちゃんと自分を理解していた、そして、ちゃんと整理をしていた。はず、だったけど改めて自問自答して楽曲とも向き合いました。色んなことに気づけて、何を恐れていたのかもよくわかりました。このパンデミックがわからせてくれました。このアルバム『My Heartbeat』は自分の感情に気づけた証拠です。喜怒哀楽です。皆さんは一日、何個もの感情と向き合ってます。皆さんのその時の感情や気分に、常にそばにいたくてこの10曲になりました。このアルバムを通して皆さんと感情の答え合わせみたいなことができたら、嬉しいな。

 

——メジャーデビュー曲である『Pride』をリアレンジした『Pride』 (Strings and Piano Reprise)、RIOSKEさんとのコラボ曲『Dotchi』など、コラボされた楽曲もありますが、それぞれにどういった経緯からコラボされることになったのでしょう?

『Pride』をリアレンジして下さった常田俊太郎さんとは、去年出させて頂いた『With ensemble』(オリジナルアレンジのオーケストラ演奏に毎回ゲストアーティストを迎えてパフォーマンスを行い、その日限りのライブ・アンサンブルを切り取ることをコンセプトとするYouTubeチャンネル)でご一緒したのがきっけです。ストリングスとピアノと生で歌うってものすごいパワーだなって初心に戻れました。1stアルバムをリリースするって決まった時は、大事な『Pride』を違う形で届けたくて、その時に『With ensemble』での思い出を振り返って常田俊太郎さんしかいないなと思いました。
『Dotchi』に関してはニコちゃん(RIOSKE)と実は10代の頃から知っていました。同じイベントに出てて、初めて聞いた時は一聴き惚れでした。歌仲間もそんなにできていない頃だったし、衝撃的でした。いつか必ずこの人と一緒に歌いたいなってずっと思っていたけれど、きっかけが中々なくて……
2020年、日本版ミュージカル『RENT』で共演して、もっと仲良くなれて、いつかコラボしようって耳が痛くなるくらい言いました(笑)言ってみるもんですね!(笑)アルバムを制作するとなって、コラボ曲が欲しいなと思った時に、ニコちゃんしかいないなと声をかけさせていただきました。

 

——また、『Dotchi』はTBS系『王様のブランチ』2月度のEDテーマに決定されたとのことですが、たくさんの方に遥海さんの歌声を聴いてもらえるきっかけになるかなと感じています!今のお気持ちはいかがですか?

とても嬉しいです。ニコちゃんに電話で伝えて二人とも大喜びでした!コラボ曲が何かのEDテーマになるのが初めてなので、二人分の『喜』って大きいですね!

 

——アルバムを通して聴かせて頂き、遥海さんの幅広い歌の表現力が堪能できる一枚だなという印象を持ちました。出来上がったアルバムについて遥海さんが感じていることはどんなことですか?

無事、皆さんに届いたんだなと思うと嬉しくて泣きたくなります。知らない人にも届けたいという気持ちもあります。どうか、このアルバムが誰かの逃げ場、そして居場所になってくれたら嬉しいです。

 

——アルバム制作中で、一番楽しかったこと、考えたことはどんなことでしょうか?また、制作中に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

このアルバムは、一曲一曲ちゃんとストーリーがあります。デビュー曲『Pride』が入ってるってことは、ある意味二年間かけて作り上げた一枚です。

 

【M1. Be Alright】
2020年4.5月くらいにできた曲です。『このパンデミックがあけたら』という色んな楽しみを想像しながら歌いました。ただ、この時期はデビューする時期で、一番頑張りどきなのに状況が頑張らせてくれなくて絶望感で溢れていたのです。こんなにハッピーに歌ってますが、泣きながらのRECでした。これ以上無理ですと、ハッピーを搾りすぎて一年分のハッピーを使いました(笑)今だから笑える話ですが、本当に辛かったです。でも、この曲が誰かの光になってくれるって思うと、頑張れましたよ。(会えてはいなかったけど、みんなが私の励ましでした)

 

M2. Dotchi】
この曲は私の本当の恋愛話です。ニコちゃんと朝5.6時くらいまでテレビ電話でひたすら恋バナして、『私はこうだ』『俺はこうだ』って。制作するときにCarlosさんと三人で答え合わせみたいなことをしながら作り上げた感じでした。恋愛している時のリアリティーを残したくて、面白い一曲になりました!
残念ながら、私の恋は形にはできなかったけど、曲として形にできて自分の散らばった感情の片付けみたいなことができてホッとしてます。いつか、そんな彼に、聞かせたい。勇気が出たらだけど!(笑)

 

【M3. Pride】
私がどん底に落ちている時に出会った曲です。私を救ってくれた大切な曲。そしてやっとスタートラインに立てたデビュー曲。何もかも嫌になって、自分の存在すら疑ってしまったときに、出会いました。
夢とは何。頑張っても報われないし、認めてもらえない。透明人間なんじゃないかって、多分誰も見ていない。私はなんで歌っているのか、私はなんで生きているのか(深すぎるけど)そして、私は何を守りたいのか。よくわからせてくれた大切な曲です。私の人生を変えてくれた、と言っても過言ではない。

 

M4. 声】
これは私から見える世の中ですが、この世の中FAKEで溢れてるなって。Fake people, fake smiles、fake laughs and fake life, especially on social media(特にSNSの世界)『目に見えるものが全て』この世の中がそう思わせてくれてとても嫌になったのです。『人にこう見られるから嫌だ』『人にこう思われるから嫌だ』とか人のことばっかり。一度だけ、自分の心の声に耳を傾けたことがあるのかな?って訴えたい。自分の本当の感情と向き合うのを避ける人が多いなって(私も今までそうでした)、心の中の穴を無理やり嘘で埋めようとして……自分と向き合うことって、怖いことかもしれないけど、でもそうすることで、自分の中での平和を見つけることができると思う。そんなことを思いながら、感じながらそして、信じて歌いました。

 

【M5. Don`t want your love】
自分の価値に気づけた人の歌です。実は、3年前くらいからライブのみで披露していた曲です。怒りという感情と向き合いたくなかった頃。そして、そこまで嫌な人と出会ったことはない頃。だから、私にはまだ早いし、あの頃の遥海には表現できないそしてまだ形にするのにまだできない頃でした。結構暖めてましたよ。でも、25歳の遥海なら、背伸びをしなくても大丈夫だし、今の私なら歌っていいと思って『My Heartbeat』に収録。傷つけられた人の曲なので、結構激しい言葉を歌ってるけど、これは、傷ついたからこそ自分の価値に気づけたので、ある意味自分を傷つけた人に対してのTHANK YOU ソング。アリアナみたいに、 Thank You, Next! (笑)

 

【M6. WEAK】
初めて『弱さ』という感情を受け入れることができた頃です。弱さを見せることができるって、、強さだなって。コーティングとかなしで、ありのままでいれる人って強いなって。この曲は2020年にデジタルリリース。私にとっては悪夢みたいな一年。大切な人を失ったし、夢を失ったし、自分を失った。弱さのことについての曲だけど、私にとっては、暗闇の中で小さいけど、唯一の光でした。温かい。そして、静か。たくさんのビッグソングを歌ってきたけれど、ある意味この曲はみんなのパワーソング。泣きながらこの曲をRECしたのを未だに覚えてます。泣きの声をそのまま使ってるとこがあるくらい『生』の感情がのってます。今は自分のことはわかるようになった。寂しいなと思う日がないと言ったら嘘になる。時々孤独を感じる日もある。だけど、どんなに弱い時も、誰かが支えてくれている、一人ぼっちではない。そう思わせてくれる、パワーソングです。

 

M7. ずっと、、、】
正直にいうと、アルバムの中で一番共感できなかった曲です。それは、歌詞のような恋愛をしてこなかったからです。曲を内面化するのに一番手こずった。曲をRECするとき欠かせないことは、曲をよく理解し、内面化して、消化する。それができなくて、スタッフの皆さんと打ち合わせを重ねました。そして思い出したんです。私は韓国ドラマが大好きだってこと。小学校の時からずっと。家族に泣いてるところを見られたくないので、わざと韓ドラを見て、泣けるシーンを何回も巻き戻してたくさん泣きます。あ、私はいつも主人公の気持ちにすぐなれちゃうマジックを持ってます(笑)『あーまた韓ドラで泣いてるよ』って言い訳をしなくても笑われて放っといてくれるし、嬉しい時もそう。それくらい韓ドラが大好きで、音楽以外の『逃げ場』です。
ある日、普段の『草ケ谷遥海』がアーティストの『遥海』に

草ケ谷遥海: この曲は嫌いなのか?
遥海:嫌いじゃない
草ケ谷遥海: 嫌いじゃないならなんで嫌なの?
遥海: 共感できないから
草ケ谷遥海: 歌詞みたいな恋愛は嫌なの?
遥海:いや、韓ドラ好きすぎるくらいだしむしろ憧れる
草ケ谷遥海: それでいいじゃん。

で解決できたのです(笑)。嘘になるものは形にしたくないし、上手く歌えたとしても、声でバレる。それくらい自分の声は正直です。歌詞のような恋愛は本当に憧れます。憧れといいう気持ちを武器に歌うことができました。

 

M8. Two of Us】
実はこの曲も3年前くらいからライブで歌ってはいました!Don`t want your love と一緒に。この曲を聴くと愛で溢れてるなーと思っちゃう。今回なぜアルバムに入れたのかというと、周りの友達そして、姉が結婚したからです。この年齢って、結婚ラッシュですね!(笑)私にはまだ結婚という感情?はわからないし、わかるまで時間はかかる気がするけど(笑)ただ、そんなめでたいことを一緒にお祝いしたいと思いました!愛に触れてることって、素敵ですね!
そして、もうこの世にはいないけど、ずっと大好きな人たちのことを思って歌いました!伝えられなかったこと、その後悔をどうにかして手放したい。大好き、そして愛してる。みんなのことを1日も考えない日はないよって伝えたい、その気持ちを残したい。だから今のTwo of usがあります。

 

M9. スナビキソウ】
私の生い立ちを歌ってる曲です。名言の塊。もうわかってはいると思いますが、私はフィリピンと日本のハーフで、生まれも育ちもフィリピンです。日本語ができないまま、13歳の時に日本に来たのです。今は、あの頃の思い出は美化されているし、笑い話になるくらい今は幸せだけど、あの頃の毎日は、冗談抜きで死にたくなるくらい苦しかったです。なんで来てしまったんだ?なんで生まれた頃からずっとそばにいてくれた親戚と離れ離れにならなきゃいけないんだ?なんで友達とバイバイもできずに来ちゃったんだ?と別れがつらすぎたし、日本語という壁が高くてぶっとくて広かった。終わりのないジェットコースター。とにかく苦しくて、両親を責めてばかり。とにかく、誰かのせいにしたい。逃げたい。と

but it all makes sense now

今だからわかる。私は、誰かの『支えになるために』あった出来事なんだなって『強くなるため』に通る道だったなって『綺麗に咲くために』知るべき世界だったなってそしてこの曲を『歌うために』日本に来たんだなという目的だったなと今思います。この曲は、何らかの壁にぶつかってる人は必ず背中を押してもらえる曲。ライフソングになれると思います。諦めるのも、一つの選択肢かもしれないけれど、どこかで、まだ諦めたくないという声が聞こえるなら、『塩辛い涙の上にしか 咲かない花がある」と言いたい。ちなみに私の大好きなワンフレーズです。

 

M10. Pride(Strings and Piano Reprise)】
間違いなく、今までで一番歌ってきた曲です。M3でも言いましたが、本当に大切な曲。この曲はたくさんの方に出会わせてくれた。この曲があったから人の温もりにも触れた。そして、この曲で出会ってくれた皆さんのおかげで色んな景色を見れました。ていうか、一緒に見ることができました。そんないつも遥海のことを支えてくれる皆さんに大きな感謝を伝えたい。だからこのアレンジができたのです。言葉だけじゃ本当に物足りないから。上手くいかない時は本当に苦しいし、ていうか、上手くいかないことの方が多い。ただ、痛みがあるからこそ大事なことに気づける。喜びは、痛みなしでは感じることができないしね。最後にこのアレンジを持ってきたのは、明るい未来に期待、そして希望を一緒に持って次に繋げたい。嫌なニュースで溢れてきてる世の中だけど、小さな光になってほしいからです。

⇨この一枚は色んな感情の塊です。
どうかこの一枚が、みんなにとっての『居場所』、時には『逃げ場』になってくれたら嬉しいです。強くなくていいし、泣いてもいい。怒ってもいいし、笑ってもいい。自分を後回しにせず、感情を思いっきり感じて、愛をばら撒いてほしいです。

 

——アルバムとは別に、TVアニメ「BABY-HAMITANG(ベイビーハミタン)」で声優に挑戦されたそうですが、チャレンジしてみていかがでしたか?ハミタンは1歳ですが子どものキャラクターの声優をされたことがとても意外でした!やってみて楽しかったことや歌うこととどういった違いを感じましたか?

歌うこととは違くて当たり前なのはわかるけど、やってみてやっぱり変な感じでした。自分の普段の声と歌ってる時の声が違すぎてコンプレックスで、ライブの時はスタッフの方に『MCしなくてもいいですか?』と聞くくらい恥ずかしくなります(笑)ただ、コンプレックスに思っていた声の居場所ができてちょっと嫌だなと思う自分の部分を愛せるんだなと思ってとても幸せです。普段の声が『BABY-HAMITANG』の声に近いかもですね(笑)声優をやってみて、日本語の勉強で何に欠けていたか、痛いほどわかりました。音読です。音読になった瞬間、片言、そして棒読み。RECの日まで不安を抱えていましたが、私は負けず嫌いで完璧主義な性格なので、この『BABY-HAMITANG』を脳内から消したことがないです。ギリギリまで意味があるのかどうわからない練習をしたり、別日に行った声優さんたちのRECを見学して、自分なりにイメージトレーニングしたり(笑)

『BABY-HAMITANG』の声優を無事できたのは、あのスタジオにいたスタッフの皆さんがいたからです。頭が上がりません。居心地良くできるために、皆さんが本当に優しくしてくれて、言葉で自信をたくさんくれました!このインタビューを通して、感謝の気持ちを伝えたいです。本当にありがとうございます。そして、皆さんのおかげで、一つの武器を手にいれることができました。

 

 

【遥海(HARUMI)プロフィール】

日本とフィリピンでの生活で培った様々な音楽的バックグラウンドと、喜怒哀楽の豊かな感情を声にのせ、日本語、英語を使ってハイブリッドに表現するシンガー。

3歳よりクワイヤに参加して自然と音楽の道へ。13歳の時に日本語が分からないままフィリピンより日本へ移住。言葉の壁に躓きながら葛藤し、必死で言葉を伝えようとするうちに『言葉を歌で伝える』アーティストへと成長していく。その過程で、世界的オーディション番組の日本版「X Factor Okinawa Japan」にチャレンジして注目を集めると、その後様々なメディアでその歌声はもちろんのこと、「心から歌っている」と表現力の高さを評価される。

2018年4月には、クラウドファンディングにてZepp Divercity Tokyoでのライブを支援するプログラム「Road to Zepp」の第一弾アーティストに選出。予想より早く目標額を達成し、満員の観客の前でパフォーマンスを披露。同年8月、自分の歌がどこまで通用するのかを確かめるべく、自ら応募し、単身で本場の「The X Factor (UK)」に挑戦。ウェンブリー・アリーナでパフォーマンスを披露し、3000人観客からスタンディングオベーション。サイモンコーウェルも絶賛したが、惜しくもステージ4で涙を飲んだ。この経験をバネに、2019年には自身初の東名阪ワンマンライブツアーを開催し、配信限定EP「MAKE A DIFFERENCE EP」、CD「CLARITY」をリリース。

2020年5月、シングル「Pride」でメジャーデビュー。

2020年11月には、1996年の初演以来ブロードウェイで12年4か月のロングラン、世界15カ国で各国版の上演、2006年には映画化もされたNY発祥のミュージカル「RENT」の日本版公演にて、スパニッシュ系のダンサー「ミミ」役で出演。

2021年、8~9月「みんなのうた」を「スナビキソウ」で初めて担当。 8月27日(金)にはワンマンライブの開催が決定しすでにSOLD OUT。 また、9月3日(金)公開「科捜研の女 -劇場版-」主題歌に「声」が決定。


HAPPY LOVE DAY【振替公演】

一般発売

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リリース情報

  • アーティスト名

    遙海

  • タイトル

    My Heartbeat

  • 発売日

    2022年01月26日

  • 価格

    3,300円